嘘。
ただ寂しいだけ?
仕事に追われていく時ってすごく充実しているし。
心はすごく前を向いている。
休みの日は酒を飲んで、眠るだけ。
夢を見ることも怖くなるんだ。
ほら、だって一人ぼっちじゃない?
特定な誰かが欲しいんだけどなー。
全部、戯言だよな。
気づいたら、思いのほか歳をとっていた。
僕は空っぽな気がします。
全部嘘。
「私は今どうしてもアイスが食べたいの。だから、 買ってきて。」
深夜2時を回った頃、彼女はそう言った。
「アイスの他には?」
「大丈夫。」
僕はハーフパンツにベージュのTシャツの上に黒いパーカーを羽織りコンビニまで歩く。
買ってきたものはラッキーストライクのソフトパックとハーゲンダッツのバニラアイスクリームだ。
「ねぇ、買ってきたよ。」
「そこにおいて、こっちきて。」
彼女はそういって両手を広げる。
「どうしたの?」
彼女は僕を捕まえてキスをする。
「どうしたの?」
「ありがとう。」
「アイスは?」
「そんなのどうでもよくなった。」
「えー。せっかく買って来たんだから。」
そう言い、彼女の腕をほどき、机の上のアイスを冷蔵庫に入れる。
彼女は笑ってこういった。
「運命じゃない?私はそう思うのよ。」
「何が?」
「君と私。」
「そうでもないよ。たまたま出会ってたまたま付き合っただけだよ。」
「それが運命よ。」
「そうかなー。」
僕は煙草を付けて、冷蔵庫のハイネケンをあけて飲む。
「飲む?」
「いらなーい。」
「ところで、この映画ひどく退屈だね。」
「そうね。」
また彼女は笑って両手を広げる。