だいちのこと嘘つき日記

本当と嘘とその間の隙間

バー

あの子はお酒が好きだ。
あの子はよく一人でバーにいく。
そして、また今日も寂しさをロックで飲み干す。
氷で薄まったそれを、彼女はゆっくりと唇につける。
のどからゆっくりとゆっくり体内に展開される。
つぼみから花開くように、彼女の頬は赤くなる。
隣に座った男が、にこやかに話しかけてくる。
彼女も微笑んで笑う。
心の中でめんどくせーと思う。
こんな不細工な男と話したくないと思う。