写真
彼はその祖父の形見だと言う重いアナログ一眼レフで女の子を映す。
彼はとても優しく微笑みながら、映す。
彼の写真集の中には、友達、昔付き合っていたガールフレンドの裸や、無邪気な幼女の写真が並ぶ。全て女の子だ。
初めてとったのは、3度目に付き合った女の子だと言う。
彼女は絵描きらしかった。今はしらない。
とにかく、彼はたまに嬉しそうに写真を眺める。
そして、涙を流す時がある。
きっと何かを思い出しているのだ。
もしくは、何かを思い出そうとしているのだ。
私は彼の写真が嫌いだ。
甘ったるくて、悲しくて、切なくて。
みんな彼にきっと恋をしているのだ。
女の私には分かるのだ。
そして、私はまだ彼のアルバムにはのっていない。
私は写真が嫌いだ。
だけど、一度くらい彼のレンズ越しの顔を見てみたいと思う。
僕は君の優しさで救われるし
僕は僕自身の優しさに救われる。
僕は人間の価値は
誰かを想い、伝え、伝えたいと想い、伝わりたいと思うその心。
分かりたいという強い想い。それが人間の価値だと思っている。
それさえ、あれば小さな物事だって
忘れかけたものや、気づかないことを聞こえるし、見えると思うんだ。
そして、それはきっととてもいいことなんだ。
僕は僕らしく生きる。
思ったままに生きよう。
それが損であろうとも、僕は清いままで麗しいままでいよう。
僕は彼らがしたように、何かを成し遂げる。
その為に、僕は生きているんだ。