天井
僕は途方に無く散らかった部屋の天井を見つめる。
ベッドに寝転がったけど、沢山ある丸めたティッシュが邪魔だ。
黄ばんでいるのは天井とティッシュ。
俺は今日も夢を見る。
幸せだったいつかのことだ。
俺には今、金も無い。職もない。
失業手当はもう尽きた。
貯金だっていつきれるか分らない。
あぁ〜煙草が吸いて〜ビール飲みてぇ〜
セックスもしてぇ〜
そんな事を思って、鍵を閉めて引きこもっている。
ドアをノックするのは、宗教か、新聞の勧誘。
携帯電話はいつから止まっているんだろうか。
TVはとっくの昔に捨てた。
PCの光だけが僕を世の中につなげている。
可愛い女の子が画面の向こうで踊っている。
部屋に転がった漫画本もCDも売ろう。
いくつかの金にはなるはずだ。
それで、煙草とビールを買おう。
髭剃りも買おう。
そして、僕は布団から立ち上がって
灰皿の中から、吸殻をひとつとり、ライターで火をつける。
なんだか惨めったらしくて涙が出てどうしようも無かった。
どうしようも無いけど、僕はまた布団に入って夢を見る。