だいちのこと嘘つき日記

本当と嘘とその間の隙間

思い出す。

夢を見たいと思う。
浮かぶのは、あの子との生活で
とても幸せだった時を思う。

僕には、金も無かったし、職も無かった。
ただ、寂しさとか不安とか紛らわすために君しかいなかったんだと思う。
僕はあの子の顔を思い出す。
はにかんだ顔を思い出す。
遠くからの君を思い出す。
思い出す、思い出す。

思い出してばかりだと、進めないと分かっている。
だけど、僕は君との生活を思い出す。

夢見てたのか、それとも現実だったのか。
よく分らなくなってくる。

僕はあの日から進んでいるはずなのに、
今の僕と君が一致しないのだ。

だから、僕はそれが過去だと分かる。
君を思い出す。
本当は、思い出したくないのに、思い出す。

君はきっと僕を知らない。

いつかはきっと君の知らない僕になる。
そう遠くはないいつか。
僕も思い出さないときが来るんだろうか。

行方不明の孤独は、いつもここにある。
誰かといても、あの頃のあの時の僕には戻れないんだ。

だから思い出す。そして、分からなくなるんだ。