だいちのこと嘘つき日記

本当と嘘とその間の隙間

17歳

あの子は女子高生で17歳。
好きな音楽は、Radiohead
好きな本は、村上春樹
最近、長い髪をばっさり切った。
セーラー服は綺麗に着ている。
休みの日はジーンズにジャージ、メガネをかけて喫茶店でコーヒーを飲んでいる。
ギターを持った長い髪を縛った男が目の前の席に座り、煙草を吸っている。
その子の読んでいる本をとりあげて笑う。
彼女は怒ったようにして、顔をふくらましている。
僕はそれを見て、なんだかとても何ともいえない気持ちになって。
走りだす。
走りだす。
橋を走る。
街を走る。
そして、自分の部屋に帰ってヘッドフォンで銀杏BOYZを聞く。
あの子はきっとあの後、小汚い四畳半のアパートの畳の上で
汗をかきながらセックスをするんだ。
そう考えて、悲しくて、でもちんこは立っていて
オナニーをする。3回ぐらいする。
泣きながらする。

これが恋心というならば、汚すぎる。
白い液体は手について、僕はそれをティッシュで拭きとる。
僕はインターネットを開いて、自分のブログに
詩を書く。
僕はギターを弾けない。
僕は運動も出来ない。
勉強も出来ない。

あの子は、学校では、綺麗な制服でみんなに笑顔を振って
休日には腰をふっているんだ。
僕は、僕は、もう死にたい。

死にたいけど、死ねない。
死ねないから生きるしかないけど。
上手くも生きれない。

あの子は僕を知らない。
あの子は僕を知らない。

僕はあの子を見ているだけ。
シャーペンをくわえて、空を眺めているのをみているだけ。
僕はあの子が彼氏のちんこをくわえているのを知らない。

月曜日は風邪をひいたと嘘をついて、休んでしまおう。
休んでしまおう。