Not change the world.But,times They are a Changin.
僕の好きな音楽はいつだって血が通い、そして体温が流れていた。
人は老いても、音楽は老いず。
いつだって、僕に新たな可能性を啓示してくれた。
飼いならせてない感覚。
そう僕の好きな音楽にはそういう反発的とまで言えない。
抵抗とも言えない。
嘆きがあった。
ただ自分の立ち居地に疑問を持ち、流れに身を投じながらも
抵抗を繰り返していたそんな音楽がロックだった。
そして時にその疑問を残しつつ、僕の脳みそを揺らしてくれたの。
体を踊られせてくれた。
敏感さと繊細さのせめぎ合いのギスギスしたあの言葉に出来ない苦しい感じもするんだ。
便利さに向き合う度に、自分の愚かさに気づくんだ。
僕の好きな音楽には魂を削る音があった。
破壊のベクトルを内側に向けている。その音楽が僕にとって宝物だ。
世界は変わらない。しかし、時代は変わるのだ。
急激な変化は何処にもなく、革命だって起こらない。
現実は、緩やかな更新でしか動かない。
それでも世界は回っていて。
何処かの知らない街では民主化運動でデモが起こっている。
しかしながら、僕らといったら都市部のビルにかかった大きな画面の中の
アフリカの難民への募金の問いかけなんて気にしないで、ただ記憶から通り過ぎていくだけだ。
身の回りの悲しい事や不条理な事、納得できてない事を両手に抱えてふらふらしながら
不幸だと思い込んでは嘆いて、電子ツールを使って、心を丸裸にする。
まるで裸の王様みたいな光景。
ただ気づいている人も自分を振り返り、裸だという事も気づかないのだ。
僕はといったら、便利さに向き合う度に、自分の愚かさに気づき。
敏感さと繊細さのせめぎ合いの中で、血が通い体温があるものに惹かれる。
それでも、便利さの中で自分を表現する事で限界を思い知らされる。
たまに反抗するそれを僕はまるで自分の道具のように使いこなし、誰かの噂話の手に入れる。