だいちのこと嘘つき日記

本当と嘘とその間の隙間

毎日が楽しい。

里芋のにっころがしを食べながら

酒を飲んでいる。僕がつくったものだ。

東北の人以外、トマトには砂糖はかけないと

ドラマを見て知った。

彼女に嘘をついて友達を遊んだので

その反省として、僕の土日は彼女のものだ。

誕生日もおろそかにしていた反省をしなければならない。

まったくもって毎日は楽しい。

びっくりするくらいに。

10代の思春期に教えてあげたいくらい。

でも不安だ。このぼんやりとした不安に芥川龍之介は殺されたんだろうか。

毎日が楽しい。充実している。

悲しかった20代前半は嘘のように。

毎日が楽しい。誰かの不幸せなんか目にも止まらないくらい。

そうやって僕は知らない誰かを知らないうちにないがしろにするんだろうか。

毎日見る悪夢や、肩こりだってあの頃に比べれば大したことはないのだ。

苦しまずに生きている。それなりの苦労がある。

 

帰り際、いつか僕は彼女を僕の両親に合わせ、歓迎され

彼女の両親にいい顔をし、結婚式をし

僕の父と母に自分の子供を見せる。

彼らはうれしそうに可愛がってくれるだろう。

叔父や叔母だってそうだ。

一般的な幸せだ。幸せな家庭だ。

ただ、今疑問に思う。

それでいいのか。

いいんだろうと納得させる自分。

僕はまだ子供なのかもしれない。

 

ただ、毎日は過ぎていく。

そしてびっくりするぐらい毎日は楽しい。