あの子が泣いているから抱きしめた。
酔っぱらっていて記憶がなかったんだ。
僕はまるでどこかのお姫様みたいにキスをして、目覚めた。
王子様であるはずの彼女は泣いていて
ただ僕は抱きしめていた。
どちらかが先に抱き合って
どちらかが先にキスをしたかは覚えていないけど。
そして、僕は怖くなって帰った。
覚えてないなんてあんまりだ。
夢だったよかったのに。
あの子に会いたい。
あの子に会って、ちゃんとお礼をいいたいんだ。
それまでのことやこれからのことについて。
僕の脳みそは君の記憶を閉じ込めて
思い出すのは心臓の部分の心なのか、心臓なのか。
よくわからないけど、ふと息を止めたら思い出した。
あの日はそういえば、君はとても不安定で
あの日の僕は君に夢中だっただけなのさ。