若い女
若い女の話。
若い女はたまに僕の部屋に来る。
お腹を空かせているか、とても眠そうにしているか。
だいたい、そんな感じでやってくる。
お腹が空いている時は
朝に来て
眠い時は
お昼に来る。
朝に来る時は
6時くらいに連絡が来て
9時にチャイムを鳴らす。
僕はだいたい、
僕は朝に、朝食と昼食の弁当を作る。
その日は、切ったライ麦パンをさっと炙り
ウインナーを4本と目玉焼きを二つ
茹でたアスパラとトマトをさっと焼いて
塩と胡椒をふる。
若い女はそれをぺろっと
僕の分まで食べていってしまった。
「ねぇ、今度水族館行こうよ。」
若い女は言う。
「どこの水族館がいいのかな。」
「品川のがいいらしいよ。」
「あっそうなんだ。実は水族館っていったことがないんだよ。」
「そうなの?」
「だったら、一緒に行きましょう。」