だいちのこと嘘つき日記

本当と嘘とその間の隙間

思わせぶりな態度

僕は思わぶりな態度をすることが好きだ。

僕が恋をした女の子はみんなそうだった。

ごめん、嘘だ。

 

僕が恋焦がれた女の子はみんなそうだった。

そして、僕は彼女達に憧れた。

 

まるで、踊っているようで

まるで、輝いているようで

 

掴もうとするとするっと手首がぬけて

ずっと届かない。優しい目で僕を見ている。

そんな女の子に出会いたかった。

難しければ、そんな女の子になりたかった。

難しいので、そういう人になりたかった。

そして、僕はそういう男の子になったのである。

 

僕は好きだけど、恋をしないタイプの女の人にそれをしてしまう。

思わせぶりな態度。僕がされていた態度。

 

そして、僕はそういう女の子の視線から昔の僕を見る。

きっと彼女に恋焦がれている男の子がいるんだと思う。

そのたびに苦しくなる。

 

好意を抱かない相手には

その空間に入ることさえ出来ない。

その相手がその空気感に挑もうとするとき、気づくのだ。

「私は彼を好きではない。」

好意はあるけど、彼の求める「それ」ではないのだ。

それが苦しい。とても苦しい。

 

そして、それをちゃんと口にしてくれる子はとても優しい女の子だ。

例えば、「ごめん、そういう風には見れない。」だったり

「またまた~。」なんてはぐらかされたり

 

そういうものじゃないもの。

「好きじゃない。」

この言葉だ。僕は最近この言葉を聞いて

その子を好きでよかったなと思った。

 

「好きじゃない。」は

土俵に立ってくれて面と向かっていってくれたってことだ。

それ以外は、全部逃げだ。優しい逃げだ。

だから、それに気づかない愚かな男子達(僕も含めて)はこじらせてしまう。

こじらせてしまうとその後の恋愛も僕のようにややこしくなってしまうのだ。

 

ややこしくなると大変だ。

まだ酒を飲んで友達とわーわーやっていておさまる分はいい。

好きだった女の悪口だっていっていい。

 

一番だめなのは、引きずることだ。

まだ、あきらめてないことだ。

 

世の中は諦めないことが美徳だと思う人がいるけど

現実世界には「諦め」が美徳だったりする。

中村航さんの小説で
世界三大美徳は「礼儀」と「仲良し」
再度は、もうひとつを探し続けることと言っていた。
僕はそこに「諦める」ということをつけたい。

 

幸せへの近道は、実は諦めることだったりする。

追い求めることが全てじゃないと今の僕だったらいえる。

ただ、それを諦めきれないから、苦しいのだ。

 

ただその苦しさも本来は美しいものだ。

ただ、それを掲げることはしない。

ひっそりと優しく思い続けることが出来るならば

どれだけ幸せだろう。

 

人はみんな自分が一番だ。

自分を大切にすることが一番大事だと思っている。

そんな自分が一番自分を大事にしてなかったりするんだけど。

 

出来れば、優しくありたい。

出来れば、美しくありたい。

 

控えめでいい。

強さは弱さ。

 

真ん中へのアプローチ。

 

って脱線しまくり、でもいいのだ。

これで僕は整理をしているから。

 

要するに思わせぶりな態度はよくない。

でも、それこそが魅力だったりもするもんな。

人間って難しいよな。

 

俺以外みんな幸せになって

俺にその愛を少しだけわけてくれ。

優しい子よ。