だいちのこと嘘つき日記

本当と嘘とその間の隙間

魔女とある男の話。

ある男は、魔女の魔法で生きていた。
彼は呪文をかけられるたびに、息を吹き返し、血を通わせ、心臓を動かす事が出来た。

彼はある日、さ迷う荒野の果ての小さなバーで、その女に出会った。
彼は女にすぐに興味を抱いた、
何かしら惹きつけるものがあったのだ。
彼は女を昔から知っている気がした。その黒い瞳の中に幼少の頃の自分の好きだった女の子を見た気がした。
何処か懐かしく、そして危険な匂いに惹かれた。
彼と彼女は長く話をした。
彼はいつもそのバーで彼女を待ち、彼もまた待った。
そして、彼は彼女と契約を交わした。
それにより彼はとても苦しむ事になったのだが、それは彼女の願いでもあった。
彼が苦しみ、悲しみ事により、彼女はまた、呪文をまた一つまた一つと失うことが出来たのだ。
それは彼女の魔女の願いだった。遠く長い旅路の果てにたどり着いた。安らかな日々を、彼が息の根を止め、吹き返した途端、また一つまた一つと魔法を失っていった。その契約により、どちらかはきっと先に死ぬだろうが、二人とも一緒に長く生きられる事になっていた。
彼は苦しみながら、彼女の側では笑顔を絶やさなかった。
大丈夫だ。心配いらない。僕と君は一緒にいるからと。
しかしながら、残り最後の魔法が残ったとき、魔女はその魔法で彼を殺した。
彼は涙をし、そして微笑んだ。彼女は彼の死に際を見たかったのだ。
彼女もまた男と同じように恋をしていたのだ。そして彼を想っていたのだった。
男と魔女は出会って魔法にかかり。その魔法によって死んでいった。


ある種のリハビリ。また書こうと思います。昔書いた小説を書き直すんだ。
また書く。自分の才能と向き合うのは苦しいけれど、もしかしたらこれしかないんじゃないかとも想うから。下らないけど読んで欲しい。