だいちのこと嘘つき日記

本当と嘘とその間の隙間

現在深夜2:00。

会社帰りのお酒臭い満員電車。
ぎゅうぎゅう詰めの車内には、疲れきった中年男性と、今にもゲロを吐きそうな男子大学生。ドアに押し込められている私。
駅に辿りつくあたりには、残業疲れか帰宅疲れか分らなくなっている。
立ち寄ったコンビニで発泡酒とアイスクリーム。
お昼は何を食べたっけと考えてたら、忙しくて同僚に貰ったクッキーしか食べてない事に気づく。
ふらりふらりと、白いビニール袋を手に、玄関の鍵を開けると、たわいもない散らかった部屋だ。
洗濯物は溜まっているし、ゴミ袋だって、もう出す日を忘れて放置気味。
まずはTVを点け、くたびれたスーツを脱ぐ。まったく君もごくろうさん。ベッドに潜り込んだら終わりだ。シャワーを浴びる事にしよう。濡れた髪を乾かしながら、若いお笑い芸人のコントを見る。
笑けてくるのだが、泣きたくもなってきて。冷蔵庫から発泡酒とアイスクリームを取り出す。今日もご苦労様。そんな私に乾杯。なんて呟きながら、しょうもなく甘いバニラのアイスクリームと、いつからか飲めるようになった安っぽい発泡酒を飲む。男でもいれば、なんとかなったのだろうか?忙しさにかまけて、充実をしていると勘違いする。25歳。彼氏なんか、大学を卒業して別れてから未だにいない。どんどん新入社員は可愛く思えてくるし、男の私の態度もどんどん適当になっていく。カナコさんは、優しいよね。要領がいい。頑張り屋さん。頼りになる。どれもこれも何だか違う気がして、思い出すだけで泣けてくるのだ。でも、私は泣かないのだ。タフになろうと決めたんだもん。
それにしても私の王子様がいるとしたら、いつ現れるのだろう。少女の時の理想の男の子は、現実にはいない事を知ってしまったのはいつだったけ?ハッピーエンドの続きがあるのを知ったのはいつだった?昔の事なんてよくも覚えてないのだ。忘れてしまった方が楽な事なんて沢山あるのだ。
ベッドに沈み込むように眠ったら、淡い夢の世界に行けるだろうか。
現在深夜2:00。